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先を読む頭脳

先を読む頭脳 人気ランキング : 42884位
定価 : \1,365
販売元 : 新潮社
発売日 : 2006/08/24
価格 : \1,365

将棋を科学する

羽生善治という現在将棋界に於ける最高レベルのプロ棋士と、人間を科学的に捉える人工知能分野の松原仁氏及び認知科学分野の伊藤毅志氏の計3人で構成された書です。
「先を読む頭脳」をどのように育んでいったのか、またその為の思考法や勉強法は何か、といったことを羽生さんがインタビューに答えたことを文章化し、それを専門の先生方が研究・科学することで内容の深いとても興味を抱かせる本に仕上がっています。
羽生さんのインタビューの中には、大山先生はじめ現在のトッププロ棋士の棋風が紹介されている点も興味を引きます。
また、最後の章にはコンピュータ将棋に関する記事もあり、これからの将棋を考える点で参考になります。

「羽生の頭脳」を人工知能・認知科学の研究者が解釈する処が面白い

本書では、羽生氏が「良い手を見つける」「形勢判断する」というような将棋における思考方法を分かり易く言語化しており(羽生節炸裂!)、それを人工知能専門家(松原仁 氏)・認知科学専門家(伊藤毅志 氏)が解説を加えるという形態を採っています。初級者?中級者とプロとでは思考の仕方がどう違うのか、人間とコンピュータの思考の違いはどうなのか、という点についてかなり踏み込んで語られていて興味深く読めました。将棋・囲碁で「筋が良い」とかいう言葉がありますが、そのような審美眼・大局観(という言語化しにくい「暗黙知」)がやっぱり重要だな、と気付かされます。この辺りを読んでいると「上達の法則」(岡本浩一)や「『超』発想法」(野口悠紀雄)などの本を思い出したりしました。"理詰め"と"感覚"のバランスが重要ですね。

また"Thinking about thinking improves thinking."(ノーベル物理学賞・ショックレー教授)という言葉も思い出しました。思考について考えると、より良い思考が出来るようになる、といった処でしょうか。本書を読んでいると、個々の情報単独では決して得られないモノ、つまり各情報間の連関から生じる新たな情報("メタ情報")を掴むことが重要だな、と気付かされます。(Googleの検索エンジンの仕組みみたいな。そう言えば、羽生氏は「ウェブ進化論」(梅田 望夫)の書評も書いてましたっけ) そのようなメタ情報およびその加工法に関する人間独特の「暗黙知」を如何に「形式知」として表出化出来るのかが今後の課題ですね。(「例題:"0→2"、"5←2"の時、"0□5"の□には←か→のどちらが入るか」には唸りました)

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